個展に寄せて

六友書道会会長  皆川 雅舟

このたび、鐵心書道会を主宰とする吉澤秀香さんが個展を開催することになりましたことをお慶び申し上げます。
東北の小京都ともうたわれる古都弘前市。


名門日本の刀匠と称される二唐國俊氏の長女として生まれ、父の意思によって5才の時から日本古来の芸術文化である書の世界に誘われました。

爾来50有余年。刻苦精励、燃えたぎる情熱を筆に託して書業を極め、今日見られるような繊細にして華麗、力感溢れる作風を確立したのであります。

吉澤さんの素晴らしさは、現代の私達の心に脈々と生きる書の伝統を大切に受け継ぎ、それを新鮮に創造発展させて心の美の広がりにつなげ、墨の表現美を追求していく姿勢にあります。

今回の心魂を傾けての個展は、一字一字に込められた生きる願いが、創造者として参集者に感動を与え、共感を呼び、説得力となってせまっていくことでしょう。若竹が一つの節をつくって大きく成長していくように、一人でも多くの方々に秀でた芸術に触れてもらい、洗練された表現を目指す同好の士を作り出す機会にもなればと希望するものであります。

個展のご盛会と、吉澤さんのいよいよのご発展を祈念してお祝いの言葉といたします。